WEEK7 Day1 心臓

Valve of coronary sinus, as described by Thebesius. Adapted from Carter HV-Henry Gray (1918) Anatomy of the Human Body. Gray's Anatomy, Plate 493. Public Domain.

インフルエンザに警戒を

クラス内でインフルエンザの感染が増えています。アウトブレイク(集団発生)に至ると困ります。

実習外でも、マスク着用、ソーシャルディスタンス、換気などによって、飛沫感染を防ごう。インフルエンザワクチンの接種も検討したい。

感染がわかったら、受診を示すレシートを持ってきたら出席停止の処理をします。

今日は心臓

肺と心臓は生命に直結する重要な臓器。十分に学ぼう。

心臓の解剖とスケッチは1〜2名で十分。CT課題を進める、明日の縦隔の部分まで進めるなど、手分けしよう。適宜情報を共有しよう。

  • 心臓の外景・内景
  • 冠動脈のスケッチ

心臓の立体をよくみよう

  • 切り出した心臓を持って、生体での向きを決め、前面・左右の側面・後面・底面がどこかをみる
    • 向きが分からなくなったら、胸腔内に戻して確認
    • 上大静脈と下大静脈が鉛直線上にある
    • 左心房が後面になる
    • 後室間溝が底面に面する
  • 冠状動脈とその枝を剖出する
    • 動脈を末梢まで露出する
    • 伴走する静脈は除去する(冠状静脈洞以外
    • 心筋に入る枝や少しの結合組織を敢えて残して壁につけておく(壁から剥がれると同定できなくなる)
    • 同義語が複数あり、英語があり、略称もある。どれを言われてもわかるように
      • 例:前室間枝 = 前下行枝 = anterior interventricular artery = left anterior descending artery = LAD
    • 心臓専門医は、Coronary Artery Segmentsを使う
  • こだわりポイント
    • 左心房斜静脈はみつけておこう(発生学上、上大静脈と相同だというトピックがあるので)
    • 前後の室間枝から壁に垂直に入る中隔枝(複数)をみつけておこう。透視下で前室間枝から分岐するのがよく写る
  • 心腔内の流路を辿る
    • 単純ではない‼
    • スイッチバック
    • 弁の向き
    • 弁尖の数と位置
    • 腱索と乳頭筋とそれらの機能
    • 心房中隔と卵円孔
    • 心室中隔の膜性部と筋性部
    • 刺激伝導系がどこにあるはずか? プリント配布
  • エコーでみる断面を考えてみる

冠動脈スケッチ

By Coronary.pdf: Patrick J. Lynch, medical illustratorderivative work: Fred the Oysteradaption and further labeling: Mikael Häggström, M.D. Author info- Reusing images- Conflicts of interest:NoneMikael Häggström, M.D. – Coronary.pdf, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9967381

 

  • 左右どちらの優位かを決める
    • 優位=後室間枝が左右どちらに由来するか
  • テンプレート入りの専用用紙にスケッチして名称を入れる
  • 描くからには剖出する、剖出したら描く
  • 剖出してないのを描かない(ゼロ点)
  • 見つからなかったものはその旨メモしておく
  • 採点中に聞かれて剖出しようとしない(打ち切り)
  • 明日10時から順次採点する
    • 本日中に完成させる
    • 班員全員でレビューして誰が質問されてもいいように
  • ありがちなミス
    • 冠状動脈の本幹の思い違い
      • 右冠状動脈は心臓の後ろまで回り込んで長い
      • 左冠状動脈は前室間枝と左回旋枝が分岐するまでなので短い
    • 動脈がちょっと透けてみえただけの状態を「剖出した」という
    • 動脈の上に静脈が折り重なっている状態で、動脈を「剖出した」という
    • 前後の室間枝の先が近づいているのを見ただけで、「吻合している」という

心臓内容物の処置

  • 赤黒いぽそぽそした塊、黄褐色の繊維状の塊は、いずれも血液の固まったもの。ピンセットやティッシュで取り除く
  • 壁に残った汚れは、水道で洗い落とす。固形物はザルで受けて回収
  • 組織片を必ず回収するように

縦隔は鈍的剥離で(明日の分)

  • 胸管をぜひみつけよう。手荒にすると壊すので丁寧に
  • 大血管周りに神経が密集している。鈍的剥離で剖出していく
    • 反回神経
    • 自律神経系の神経叢
    • 大動脈小体(何を測っている? 何神経が情報を伝える?)
  • 縦隔の血管は多様性が高い。どんなパターンかメモしておこう。
    • 気管支動脈
    • 最上肋間動脈
    • 奇静脈系
  • 交感神経系の交通枝をみつけよう。色調はわかりにくいので、分岐で同定
  • VAN
    • 肋間動静脈、肋間神経を内腔側からもみる

胸部エコーのデモ(明日)

  • 各列一人ずつ、患者役お願いします
  • 国試に頻出
    • 長軸・短軸・四腔面・Mモード・ドップラー
  • 診療として心エコーを受けると880点(1点10円)、3割負担なら2640円

剖出チェック

  • 冠動脈のスケッチをチラ見せ

Coronary Artery Segments

From: Harborview Radiology, University of Washington. http://faculty.washington.edu/jeff8rob/trauma-radiology-reference-resource/2-vascular/coronary-artery-segments/

 

Segment Description Notes
1 Proximal Right From ostium to ½ distance to the acute margin. Gives rise to the conus branch and Sinus node branch
2 Mid Right Up to the acute margin
3 Distal Right Up to the RPD origin
4 Right Posterior Descending May be absent if left dominant
5 Left Main Ostium to bifurcation
6 Proximal Left Anterior Descending Up to origin of first septal perforator
7 Mid Left Anterior Descending Up to half the distance from the first septal perforator to the cardiac apex
8 Distal Left Anterior Descending
9 First Diagonal May include ramus intermedius
10 Second Diagonal
11 Proximal Circumflex Up to and including marginal branch origin
12 Obtuse Marginal Largest branch
13 Distal Circumflex Distal to marginal origin
14 Posterolateral May be small
15 Left Posterior Descending Present in left dominant system