WEEK4 Day1 腋窩、腕神経叢

Dissection showing the contents of the axilla. Colour lithograph by G.H. Ford, 1867. Wellcome Collection. Source: Wellcome Collection.

今日は胸筋から腋窩、腕神経叢へ。

  • 腋窩の成り立ち・腋窩の壁→グレイで確認する
  • 腋窩の脂肪は指で剥離
    • リンパ節を見る
    • 神経を切らないように
  • 腕神経叢の神経の同定とスケッチを今日中に済ませる(チェックは明日午前中)
    • 神経の同定は分岐のしかただけでなく、支配するもの、通るところ、行き先も踏まえる
    • 「M字」の分岐だけを根拠にするのは認められない←腕神経叢の分岐には変異が多いから
    • 静脈は適宜とってよい。鈍的に剥離していく。指を上手に使う
  • 今日の剖出チェックはなし

腕神経叢のスケッチのポイント。

  • 各班左右いずれか一枚
  • 模式的に描き、神経は黄色、動脈は赤で彩色(静脈は除去)
  • 5本の主要な神経に色糸で印をつける
  • 外側・内側胸筋神経に注意
    • 内側胸筋神経は小胸筋を貫く
    • 外側胸筋神経は小胸筋の内側をすり抜ける
  • 長胸神経を見失わない
  • その他の神経もできるだけ
  • 神経の同定根拠を言えること
  • 腋窩動脈が腕神経叢をすり抜ける位置がわかるように描く
  • 神経の分岐吻合の様式がわかるように描く
  • 神経幹より中枢側は先のスケジュールでやるので、今回は描かないでよい

最初の1時間の見回りでアドバイスしたポイント。

  • 大胸筋・小胸筋の翻転は段取りが大切:
    1. 起始停止や縁まで十分に剥離する。
    2. 裏側に指を入れて、筋腹から内側・外側に動かして剥離を拡げる。
    3. 肩を前方に動かすと筋が緩んで剥離しやすくなる。
    4. 肋間神経の皮枝は切る。腋窩から来る神経は残す。
    5. 内側で指が止まるところが起始なので、その近くにハサミを深く差し込んで切る。
    6. ビデオだとメスも使っているが、術者が上手だからできること。われわれは鈍的に。
  • 長胸神経の剖出を失敗しがち:
    • 長胸神経は皮下を通って前鋸筋を表面から支配する
    • 皮下組織を取り除くときに一緒に取り除きがち
    • 伴走する静脈が皮下に見えたら注意
  • 橈側皮静脈・尺側皮静脈から肘窩まで:
    • 橈側皮静脈を大胸筋と三角筋の隙間でみつけておこう
    • 肘窩までつなげられたらつなげよう(注射するので)
    • 正中神経の皮静脈との深さの違いを見ておく(注射で避けるので)

 

A, Axillary nerve; AA, axillary artery (position); M, median nerve; MAC, medial antebrachial cutaneous nerve; MBC, medial brachial cutaneous nerve; MC, musculocutaneous nerve; R, radial nerve; U, ulnar nerve. Variations are continued in Figures 45-49. From Hirasawa, K. Arbeiten aus der dritten Abteilung des Anatomischen Institutes der Kaiserlichen Universitat Kyoto. Series A: Untersuchungen uber das periphere Nervensystem. Book 2: Plexus brachialis und die Nerven des peripheren Nervensystems. Kyoto 1931.