第119回医師国家試験の合格状況

2025年3月14日14時に第119回医師国家試験の合格者が発表された。文部科学省やTECOMなど公表のデータをもとにまとめた。
大学別合格率
国試留年回数別合格率
受験者数の軸が対数であることに注意されたい。
国試合格率と受検者数の年次推移
第1回以降の国試合格率と受験者数の年次推移をグラフ化した。
年複数回の試験はまとめて集計した。第2回(1946年)から第78回(1983年)までは年2回国試が実施された。1968年は3回あった。これは、1967年のインターン制度廃止を求めた国試ボイコット(実際に受験したのは全体の13%、404名)の影響である。
1970年代は相次ぐ新設により医学部の数が倍増、合格率が低下した(Internet Archive)。現在の国試は半相対評価(下記)なので、制度的に大きな変動は生じにくい。第93回〜94回(1999〜2000年)の合格率低下については、出題方針の変更への対応不足が指摘された。
合格基準の年次推移
合格基準の推移をグラフ化した。医師国家試験は半相対評価になっている。
- 必修問題:医師として必ず知らないといけないこと。一定以上の得点が求められる絶対評価
- 一般問題:主に臨床的な問題。毎年の受験者の能力に大きな差 はないと仮定して、平均値と標準偏差値から合格ラインが決定される
- 禁忌肢:患者の死や重大な後遺症につながること、重大な法令違反に関する選択肢(非公開)。一定数を越えて選ぶとそれだけで不合格
参考:
- 医師国家試験 基本情報(メディックメディア)
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Imawari, Michio. 2015. “VI.医師国家試験の変遷と今後の方向.” 日本内科学会雑誌 104 (12): 2527–32. https://doi.org/10.2169/naika.104.2527.
男女別合格率の推移
大学別国試歩留
過去13回(第107〜119回;2012〜2024年度)の医師国家試験の合格者数の積算と、それに相当する入学年度(2007〜2012年度)の入学定員の積算から、入学者中の医師になる割合を計算した。実際の入学者数ではなく追跡調査でもないので推計でしかないことに注意されたい。
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