解剖学イラスト事典 第4版

解剖学イラスト事典 第4版

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松村 讓兒
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『解剖学イラスト事典』が12年ぶりに改訂され、第4版になった。

「改訂にあたって」をみても改訂のポイントが「定年したこと」しかわからないが、ページ数にして2割増量し、「イラ解」の初版に匹敵している。

さらに重要なことに、M2PLUS医書.jp電子版が追加された。電子版ならiPadを使って実習中に参照しやすくていい。価格は冊子体と同じ。

 

改訂にあたって

 

ページ数の推移

 

『解剖学イラスト事典』は、同著者による人気の教科書『イラスト解剖学』(通称「イラ解」)の姉妹本で、イラストなど共用されている。

イラストは著者自身によるもの。やさしい感じの線画で、リアルな形態から省略やデフォルメされて描かれている。しかし、解剖学者の描くものなりに、理論的な正確さがきちんと押さえられていて、安心できる。この点が、イラストっぽいさし絵を多用した類書とは一線を画す。

カバーのイラストは、アトラス(第1頚椎)が頭蓋骨を支えている様子らしい。

 

イラスト解剖学 第10版

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松村 讓兒
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「イラ解」との大きな違いは、構成が体の部位ごとの「局所解剖学」になっていること。解剖学実習で参照するには、臓器・組織ごとの「系統解剖学」の並びになっている「イラ解」よりも使いやすい。

「事典」として項目ごとに見開き2ページでまとめられている。左ページにイラストのまとめ、右ページに箇条書きのまとめがある。実習中に取り敢えず要点だけチェックしたいときに便利だ。

試験直前のピンチのときにも役立つ(保証はしない)。「イラ解」が増量して1,000ページ近くなって使いにくくなっているので、その代わりだ。ページ数からいっても、初期の「イラ解」の役割を引き継いでいるといえるかも。

『グレイ解剖学』と異なり神経解剖学も含むので、脳実習でも使える(保証はしない)。

印刷は2色刷で、イラストは青。今の「イラ解」は4色刷だが、もとは2色刷だったのを彩色したので、見やすさは十分だ。

ここでは医書.jpの電子版を使って紹介しよう。

 

局所解剖学の構成

 

医学科の実際の解剖学の授業と同じように、最初の章は総論だ。解剖学的正位から始まり、初期発生も含む。

 

神経胚くらいまでの発生学を含む

 

臨床でも役に立つポイントも押さえられている。解剖学実習でもスケッチしたりするので、参照できる。

 

肺区域(体操がないのは残念)

 

冠状動脈の透視図

 

肝区域のクイノー分類

 

巻末には付録がある。ひとつは、人名の付いた用語の解説。そして、関節と筋の表。最後に語呂。

 

人名の付いた用語の解説

 

まとめの表

 

語呂