ズボラな学生の看護実習本 ずぼかん
看護実習にでかける前のまとめの本。看護実習に参加する前には、現場でオロオロしないように、座学で学んだことを復習し、これから出会うことを予習し、脳内に整理しておかないといけない。とはいえ、そんな上手にできるものではない。
筆者は現役看護師で、マンガ家・イラストレーターでもあり、看護手技の本を多くだしている。
本書では、筆者自身の経験や、いろいろな専門の看護師や医師から聞いたポイントをまとめたもの。全編、マンガとイラストと手描きの説明文である。VARKでビジュアル系なら特に楽しめるだろう。
各分野の協力者は巻末にまとめられている。多くはSNS上にいる人たちだ。参考文献の一覧もある。多くは、本文中から参照されてはおらず、執筆の「参考にした」もののようだ。(万一)実習生が学習を拡大しようとするときに起点に使える。
本書は3つに大きく分かれている。第Ⅰ部は、看護実習にいくときの基本的な心得。おむつのギャザーの扱いなど、ディテールまで細かく手技のポイントがまとまっている。キョドりがちな、指導看護師との応対のコツもあって、心強い。まあ、なんでも反射的に「根拠は」と聞いてしまうのも考え物だけれど。
第Ⅱ部は、各科のポイント。扉のイラストがいい。循環器の心臓は、解剖学的に正確でありつつ、ほんわかと優しい。内容も、正確さは保ちながらも、学術的な詳細は抑制されている。たとえば、心電図ならモニターをチラ見してもわかる危険な波形のみ。すぐに指導者のところに走らないと行けないやつと、日常の作業だ。主な症候のまとめもある。
第Ⅲ部は、より発展的な看護で、周術期と化学療法のケア。
筆者には、エッセイもある。第9回料理レシピ本大賞コミック賞を受賞した作品は、kindle unlimitedで読める。筆者はだれかを癒やすことにアツい。
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