WEEK4 Day1 上腕・前腕屈側・手掌

Image from page 158 of "Atlas of applied (topographical) human anatomy for students and practitioners" (1906)

先週剖出・スケッチした腕神経叢のチェック。続いて、半日で上腕から手にかけて、屈側を解剖していく。

  • 前腕の皮静脈とその深部にある正中神経、上腕動脈の枝などとの位置関係をみておきたい。手根管を通るものの確認はマスト。正中神経が通ること、ただし母指球近位部の皮膚を支配する枝は通らないこと、尺骨神経は通らないことをみておきたい。
  • 動脈弓を確認する。自分で橈骨動脈と尺骨動脈の脈拍を触れておく。
  • 筋と皮膚の支配神経をアトラスと実物で確認する。

進捗

  • 13:00 前説
    • 3教室、50分間(説明別にして)スケッチチェック

      今日は4名で左右の上腕・前腕をそれぞれ担当

      実習書で一側のみとある部分はそれに従う

      予習が足らない。やることを把握していない

      前回は21時半までやっていた班が。しかし長ければよいわけではない

      早く終わっている班。手を動かしていないひとがいる。手を動かさないとおぼえられない

      左右両方ちゃんとやる(特に指示のある場合は別)。班員同士で左右同士で相談する。

      長胸神経はどうした?

      プロフェッショナルから:手術前に終わっている。やり切る

      コンパートメントの図もみながら神経の走行を剖出する

      切る=ちゃんと剥離してから切る

      手の皮切りは、少しずつでOK

      手根管に何が通るか

      動脈弓

      指一本でよいので、腱を剖出。虫様筋は何をしている?

  • ブリーフィングに続いてスケッチのチェック:5本の枝、同定の理由、その他の枝、長胸神経は?
  • 15時、チェック終了
  • 20時、残り5班
  • 20:40、終了

 

医師国家試験より

腕神経叢の主要な枝は医師国家試験にも出題される。

第114回A問題 問16

19歳の男性。左手掌のしびれ感を主訴に来院した。1年前から大学のサークルでギターの練習を毎日6時間行っていた。1か月前から左手掌にびりびりするしびれ感を自覚するようになった。しびれ感は起床時やギターの練習中に出現するという。身長172cm、体重62kg。脈拍64/分、整。血圧116/62mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腱反射は正常で、筋萎縮は認めない。他覚的感覚障害も明らかではないが、ある肢位を1分間継続すると左母指から中指の手掌側にしびれ感が誘発された。その肢位(下図)に示す。考えられるのはどれか。

  1. 手根管症候群
  2. 肘部管症候群
  3. 胸郭出口症候群
  4. 頸椎症性神経根症
  5. 前骨間神経症候群

第115回A問題 問24

60歳の男性。左手関節の背屈ができなくなったことを主訴に来院した。3日前、飲酒後に居間の肘掛け付き椅子で朝まで眠っていたという。目が覚めてから左手関節の背屈ができず、左母指と左示指との背側にしびれ感があることを自覚した。2日間様子をみていたが、回復しないため受診した。
障害された可能性が高い神経はどれか。

  1. 腋窩神経
  2. 筋皮神経
  3. 橈骨神経
  4. 正中神経
  5. 尺骨神経

第107回I問題 問17

手の模式図(①~⑤)を別に示す。
肘部管症候群でみられる代表的な感覚低下部位はどれか。
ただし、斜線部は感覚低下部位を示す。