図解 内臓の進化 / 感覚器の進化

動物(主に脊椎動物)の内臓と感覚器の比較解剖学の一般向けの読み物。

筆者は解剖学の研究者で、長崎大学医学部の解剖学第一講座の教授として教鞭を執られていた。『内臓の進化』の序文にこうある—

…内臓を知るための最良の方法は、自分の手で実際に触り、自分の目で実際に観察することである。これまで私は多くの方々のご厚意により、たくさんの動物の体に接することができた。その結果得られた内臓についての所見をまとめたら、私なりの「内臓学」ができるかもしれない…

そして、動物によって違う多様な形態を進化を軸に整理したという。むろん、化石に内臓が残ることはないから、当時の環境、比較解剖学や分子進化、個体発生と系統発生などをもとに考察することになる。

人体をよく理解するコツはいろいろある。一心不乱に机にかじりつくのもそうだろうし、解剖を何度もやってみるのも、あるだろう。完成形までの変化を発生学で考えたり、臨床医学からふり返って実用にもっていくのもよい。もうひとつは、「人外」からみることだ。他の動物と比較し、どうしてそうなったのか考えてみると、思考の座標が拡がる。

本格的に脊椎動物の比較解剖学を学ぼうとするとテキストが大きすぎて実行不可能になりがちだけれども、ブルーバックスで2冊なら連休の読書になるのではないだろうか。

少しみてみよう。

呼吸器の進化。肉鰭類(肺魚など)の祖先に生じた肺が、四足動物の肺に進化し、一方で魚類では浮き袋になり、一部の魚類ではそれも消失した。肺も、いろいろに進化した。

 

いろいろな肺

 

胃の進化。胃腺の分布に基づいて考える。肉食から草食への進化により、胃も変化していった。反芻動物で4つの胃を持ち、発酵作用でセルロースを分解できるようになった。トリでは歯のないくちばしのかわりに砂嚢が生じた。

 

いろいろな胃

 

泌尿生殖器。ミュラー管、ウォルフ管、前腎・中腎・後腎がどうなっていくか、発生と比較をもとに考える。

 

いろいろな腎臓

 

目の進化。カメラ眼は頭足類と脊椎動物で2回発明された。ただし、頭足類は網膜の受光部が光の入射方向を向いているので、高感度だ。

 

 

聴覚器。水と体との音響インピーダンスが近いので、水生動物は鼓膜を震わせて音を聞くわけにはいかない。かわりに側線がある。

 

側線器

 


Warning: Trying to access array offset on value of type null in /home/.sites/4/site83/web/wp-content/plugins/amazonjs/amazonjs.php on line 637

Warning: Trying to access array offset on value of type null in /home/.sites/4/site83/web/wp-content/plugins/amazonjs/amazonjs.php on line 637