ナースは誰を愛してる?
内田春菊先生の新作。エキナスのサイトの連載で、いまのところ全話が無料で読める。
冊子体には、はじめに、吉本ばなな先生のはしがき、謝辞がある。沖田×華先生のなまえもあった。
内田春菊先生は直腸癌の手術でストーマになっていて、それも作品になっている。本学医学図書館収蔵。最初期の作品は「kindle unlimited」になっている。
三題噺だ。共通するのは皮膚。
- ストーマ
- エーラス・ダンロス症候群
- WOC
作者のまえがきの通り、皮膚の障害は心身ともに大きな負担になる。皮膚はからだの内外のバリアであり、熱傷などで全身の皮膚の数割の機能が失われれば、死に至る。免疫の場でもあり、異物侵入の前線になるとともに、その反応がいち早く現れる。皮膚は感覚器であって、環境を感知し、他者を触知する。よく目につく部分でもあって、自身の状態を他者に悟らせる。
美大生の主人公が偶然WOCの看護師に声をかけられ、WOCに興味を持ち、看護師を目指す。実は、主人公の兄はエーラス・ダンロス症候群で、その死を整理できないでいた…
患者、医療関係者、友人・家族などのこころが、日常をバックグラウンドに淡々と描かれる。その場にいるような「皮膚感」がある。
- エーラス・ダンロス症候群 = 指定難病168。コラーゲン遺伝子またはコラーゲン成熟に関連する酵素の遺伝子の変異による。常染色体顕性遺伝のと常染色体潜性遺伝のとがある。症状はタイプによるが、臓器破裂や動脈解離など重篤な合併症を起こすことがある。
- WOC = 皮膚・排泄ケア認定看護師。ドライスキンや褥瘡などの皮膚のトラブル、人工肛門・人工膀胱、失禁のケアを専門にする看護師。
マンガにおける「三題噺」は25分過ぎ↓
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