Imaging Atlas of Human Anatomy, 5E

Weir & Abrahams' Imaging Atlas of Human Anatomy, 5e
画像解剖学のアトラス。CT、MRI、XP、エコーなど多様なモダリティーの画像が、局所解剖学に沿って掲載されている。画像はいずれも新しい機器による精細なものだ。病的な所見のみられない画像が揃えられ、リファレンスとして頼りになる。医用画像のエクスパートを目指すひとのためのテキストだが、学部生にも役立つだろう。米国では解剖学の授業の副読本として採用されることもあるようだ。
縦横 30.2 × 24.9 cmと、A4(29.7 × 21 cm)より幅広の紙面に図が大きくレイアウトされおり、印刷の質がよく画像の細部までみえる。解剖学的な構造がていねいに同定されて数字で示され、キャプションでその名称が記される。紙面の要所にメタリック色のアクセントが使われいて、かっこいい。
画像とはいえ解剖学の本なので、いろいろな疾患に関する画像は取り上げられていない。「病みえ」など、それぞれの疾患のテキストで学ぼう。

乳腺検査:エックス線マンモグラフィー、エコー、MRIの3通りのモダリティーで

胸部X線撮影:陰影がよく再現されている

胸部CT(肺野条件):見開きに連続して提示される

胸部CT(縦隔条件)

胸部MRIアンジオグラフィー

脳のファンクショナルMRIとトラクトグラフィー:拡散テンソルトラクトグラフィーはMRIの新しい手法で、神経繊維の走行を可視化できる

冠動脈造影:心臓カテーテル検査による冠動脈透視と、3D造影CTからの冠動脈の抽出

サブトラクションアンジオグラフィー(造影後の画像から造影前の画像を減算する)
巻頭のイントロダクションで、解剖学教育における医用画像の位置づけが論じられていた。早期に画像を学ぶことは、解剖学の修得だけでなく後のキャリアでも役立つという。本学の取り組みの狙いと同じだ。

イントロダクションには医用画像の解剖学教育での位置づけが論じられていた
Expert Consult上の追補のデジタルコンテンツにアクセスできるコードが付いている。Expert Consultはエルゼビア社がInklingのプラットフォームで展開しているサービスで、冊子体を購入すると全文やマルティメディアのコンテンツにアクセスできる。Student Consultと仕組みは同じだが、学部生用の教科書にStudent Consultが付いているのに対して、Expert Consultは専門家向けの参考書に付属している。

Expert Consultのコード付き:全文の他、追補のコンテンツにアクセスできる

追補から:胸部X線でインタラクティブに部位同定を練習する

胸部CT:実際のCTのようにスライスを連続してみながら、部位同定を練習できる

臨床問題:呼吸困難の症例
原著第4版には邦訳がある。
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