工藤式打腱器「ゴールデンハンマー」
![](https://i0.wp.com/anatomy.med.gunma-u.ac.jp/wp-content/uploads/2015/12/IMG_2845.jpg?resize=1320%2C500&ssl=1)
『ねじ子の ぐっとくる脳と神経のみかた』で紹介されていた工藤式打腱器。通称「ゴールデンハンマー」。ネット上に情報が少ないので、紹介しよう。
打腱器(打診器)は腱反射を起こさせるための診察器具。
慶応義塾大学脳神経外科初代教授の工藤達之氏が考案されたことが、名前の由来。
筋紡錘は伸張量と伸長速度に反応し、そこからの1a求心性線維が脊髄前角の複数のα運動ニューロンに刺激を伝える。それぞれのα運動ニューロンが数百〜数千(四肢筋の場合)の筋線維を支配する。すなわち、目に見える腱反射を出すにはごく少数の筋紡錘の反応でも十分だ。
少数の筋紡錘に効果的に刺激を与えるには、手首で打腱部の回転運動を起こして軽く素速く打腱部を腱にあてるのがよい。大きな反射を出そうと力任せに腱を叩いても痛いだけだ。それに合わせて打腱部の質量と形、持ち手の長さが決まってくる。
安価に手に入るのが「テーラー式」。全長約20センチ、重量約70グラムと小型で軽いが、反射は比較的出しにくい。
工藤式はテーラー式より少し長く(全長22.4センチ)、少し重い(120グラム)。白衣のポケットに入れて携帯できる大きさだ。テーラー式より腱反射を出しやすいといわれる。持ち手が金メッキされていて格好いい。また、ステンレス表面よりすこし滑りにくい。テーラー式は持ち手部分に病的反射を起こさせるための突起があるが、工藤式にはない。
ユフ精器株式会社製で、約1万円。ネットショップには見当たらないが、医療機器を取り扱う業者から購入できる。
![IMG_2849](https://i0.wp.com/anatomy.med.gunma-u.ac.jp/wp-content/uploads/2015/12/IMG_2849.jpg?resize=2048%2C1536)
工藤式打腱器
![IMG_2850](https://i0.wp.com/anatomy.med.gunma-u.ac.jp/wp-content/uploads/2015/12/IMG_2850.jpg?resize=2048%2C1536)
打腱部はシリコンラバー製
![IMG_2852](https://i0.wp.com/anatomy.med.gunma-u.ac.jp/wp-content/uploads/2015/12/IMG_2852.jpg?resize=2048%2C1536)
持ち手が金メッキされている。病的反射用の突起は設けられていない
![IMG_3264](https://i0.wp.com/anatomy.med.gunma-u.ac.jp/wp-content/uploads/2016/01/IMG_3264.jpg?resize=2048%2C1536)
重心の位置は持ち手の少し先
打腱器は一般医療機器クラスⅠに分類され、厚生労働大臣による認証は不要ながら、製造販売の届けが必要だ。購入するときはこれが表示されているか確かめよう。
![IMG_2855](https://i0.wp.com/anatomy.med.gunma-u.ac.jp/wp-content/uploads/2015/12/IMG_2855.jpg?resize=2048%2C1536)
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