都市伝説:CT値

確認したら、骨のCT値を+1000と決める、って、都市伝説だった。
Hounsfield unit(CT値)


光子が光路を単位長進む間に物質と相互作用する(散乱・吸収される)確率を、線減弱係数 linear attenuation coefficient(単位は /cm)という。
CTの検出器が測定するのはX線強度。そこから断層面の各画素について線減弱係数を算出する。それをもとに、CT値を得る。
すなわち、水の線減弱係数を mw(定数)、空気の線減弱係数を ma(定数)、計測対象の物体の線減弱係数を mとすると、CT値 H は、
H = 1000 × (m – mw) / (mw – ma)
というわけで、線減弱係数とCT値は比例関係にあり、緻密骨のCT値が+1000前後になるのは、たまたま。