発生学補講:感覚器

視覚器と平衡聴覚器。補講はこれでおわり。出席の皆さん、よくここまで生き延びた


三胚葉や誘導現象のモデルとしての視覚器発生は、高校生物でも学んだ。眼の発生に関わる分子機構は、Pax-6を初め研究が進んでいる。全前脳症や単眼症は、胎児性アルコール症候群にも現れる。どの妊娠にもその危険はある、というのは、眼の発生は妊娠診断可能な時期より早く始まるから。
外耳・中耳・内耳、それぞれに発生する。内耳は外胚葉から。半規管のループはアポトーシスで。中耳は原始咽頭のくぼみから。鼓膜は、外胚葉・中胚葉・内胚葉の膜。つち骨ときぬた骨は第1咽頭弓、あぶみ骨は第2咽頭弓から。外耳は頭側に移動する。ダウン症などの先天異常に外耳低位が起こる。風疹は蝸牛の発生を阻害する。
泌尿器系。中間中胚葉由来。前腎・中腎・後腎が順次でき、後腎が成体の腎臓のネフロンに。中腎管から尿管芽が伸び、集合管に。総排泄腔は直腸と尿生殖洞に。尿生殖洞は、膀胱、尿道、女性の腟や前庭に。
生殖器系。性決定はSRY遺伝子で。生殖細胞は卵黄嚢から後腹壁の生殖堤に移動。生殖腺は生殖堤からでき尾方へ。後腹壁の中腎管が男性生殖器に、中腎傍管が女性生殖器に。外生殖器の男女。