CT課題のヒント

正常なものを実直に丁寧に調べられれば、それでよい

解剖の授業だから、そもそもそれが一番重要。病変があったら、それをネタに正常なカタチをより深く学んでほしい。病変や死因を調べる課題ではない。

死亡時画像検査結果報告書にとらわれがち

死亡時画像検査結果報告書を書いたのは専門医で、正常構造はすでに熟知しており、病変の診断を主な業務としている。そのため、この報告書には異常かもしれない所見がこまかく記載される。

しかし、それらが医学的・解剖学的に大切かどうか(レポートのネタとして興味を引くかどうか)は、考察しないといけない。

  • 老化は重要ではない
    • 動脈壁の石灰化は普通にみられる;大動脈瘤など顕著な病変になっていれば別
  • 死後変化、防腐処理による変化は課題の対象にならない
    • 肺には固定液が多く浸潤する。CTに「浸潤影」として生前の状態や死後変化が写っていても、解剖体ではその状態は上書きされて判定しかねる
  • 解剖しても死後CTでも判別困難
    • 肺水腫と肺炎の違いなど、肉眼所見では判定できない(気管支内異物など誤嚥がわかれば別)

一方、死亡時画像検査結果報告書と実際とに相違があって、それが重大なものなら、取り上げる価値がある(読影医が課題をみて参考になるから)。

  • CTでは映りにくい病変(出血はわかるが梗塞はわからない)
  • 液体の区別(組織液なのか膿なのか)
  • 色、硬さ、触った感じ(腫瘍かどうか)

図の様式

科学論文の付図の形式で、組み図をつくる。

  • スケッチとCTを比較しやすく並べる
  • それぞれに「a」「b」…とアルファベットを振る
  • 着目点や目安になる場所に矢印、矢尻、アスタリスクなどの記号を付ける
    • 形で区別する。色調では区別しない
    • 図の向きを示す(上下、左右、背腹など)
  • 図の下に図の説明文(キャプション)を付ける
    • タイトルと簡単な説明
    • 「a」「b」…が何か、図中の記号が何か全部説明する

このような図の作り方は、科学論文で求められるもの。図書館で英文誌の論文をいくつかみよう。論文ではユニバーサルアクセスを求められる。

科学論文の図のラベルの例

矢印、矢尻、略語を使って(Møllgård, K., et al. (2017). Scientific Reports, 7(1), 11603. http://doi.org/10.1038/s41598-017-11596-0)

図表のユニバーサルアクセス

サンプル

  • PANDORAに過去のCT課題の高評価のサンプルがある。過去の課題は論文形式になっているが、図の部分は参考になるだろう。

アイキャッチ画像の出典:The PHD Movie “That’s the whole point…”

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