画像でみる人体解剖アトラス

読影力をつけるのに最も有効なのは、DICOMビューアを使って、実際の画像を実地に観察することだ。特にCTやMRIでは、スライスを前後しないと部位の同定ができないことは多いし、CTではウインドウやスライス厚の調節も必要だ。解剖学を学ぶのに教科書だけでは不足で実習が必須なのと同様である。

しかし、そのときにもガイドブックは必要だ。医療画像の詳しいアトラスが役立つ。

本書はそのような本だ。X線、CT、MRI、アンギオ、エコーなど、正常な人体の多様なモダリティの画像を使って、人体の局所解剖に沿って構成されている。画像に現れた各部が丁寧に同定され、必要に応じ模式図も示されている。全身にわたって読影力を基礎づけるのによさそうだ。

病変のある画像は紙面には掲載されていないし、それぞれの部位を詳しく学ぶことも本書の視野ではない。CBTや国試を目安としたときに不足に思われたのは、心エコーが載っていないことだ(類書の『画像解剖コンパクトナビ』にもないが)。このような向きは、『画像診断コンパクトナビ』や『病みえ』で学ぼう。

病変のある画像は、附属のCDのアプリで学べるようになっている。しかし、GUIが使いにくい。画像点数が少なく、品質も低い。Flashなので、プラグインのインストールが必要だ。追補のページをPDFとして提供した方がよかったのではないだろうか。

医学科生がCBTや国試対策にどれか購入するとすれば、『画像解剖コンパクトナビ』(と『画像診断コンパクトナビ』の組みあわせ)が第1選択、本書がそれに次ぐのではないだろうか。

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頭部X線。各部が同定され、対応する模式図とともに示されている
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脳のMRI。複数の強調を連続するスライスで
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頭部血管造影。X線の他、MRアンギオも
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歯科のX線
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胸部造影CT。連続するスライスが示される。これは肺野条件
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縦隔条件
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心臓の3DCT
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マンモグラフィー。検診でよく使われるX線によるもの(右下)と、より検出に優れるといわれるMRIによるもの(他の3つ)
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腹部エコー。模式図と対比されている。プローブの位置・向きが図示されていないのは、慣れないと少し困る。
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心臓のCT/PETフュージョン
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附属のCDに掲載されたアプリで病変のある画像を学べる。Flashを使っている
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CDに入っている画像の例。書籍をスキャンしたらしい(裏写りした文字がみえる)