Mall Probe

解剖学実習の作業の大半は、刃物を使わずに組織をより分ける「鈍的剥離」の作業になる。

組織の粗密や線維の方向性に注意して、血管や神経などを結合組織から浮きだたせ、構造の繋がりや位置関係を目に見えるようにする。これを剖出という。

不用意にメスなどの刃物を使うと、組織の区別無く切れてしまうので、剖出する前に構造が破壊されてしまう。ハサミを使うことはあるが、普通に切る使い方ではなく、特殊な使い方だ

グラント解剖学実習』で鈍的剥離に使うようしばしば指示されるのが「プローブ」という道具だ。正式には、Mallプローブと呼ばれる。

長さ6インチで、ステンレス棒材から削りだし、先端を少し曲げてつくられている。米国では数ドルで売られているが、日本ではみかけない。本学では米国からまとめて購入し、実習生に貸与している。