2014年度アンケートのまとめ

2014年度のアンケートをまとめた。

形式:リッカート尺度および自由記載の設問を印刷した冊子
実施日:2014.12.9 (火) 第3回解剖学試験に先立ち実施
対象者:2014年度解剖学履修生129名
回収率:100%

アンケート冊子

MeAV Anatomieについて

2014年度は、パナソニック社から提供いただいたデモ機を用いて、MeAV Anatomieを試用した。

実習中とその前後を含め、約3割の履修生が週数回以上使用していた(実習自体は週3〜4日なので「週数回」に相当)。

全般に高評価を得た。実習後の復習、剖出できなかったポイントの学習に特に役立ったようだ。多層多視点、ラベル表示への評価が特に高かった。PCのクライアントの操作性には改善の余地があるかもしれない。

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MeAV Anatomieの使用頻度と感想。感想のグラフは、それぞれの設問に同意できるかどうかのスコア(1〜5で、5が同意できる)の平均

 

CTとiPadについて

胸腹部ではCT画像と対比しながら実習をすすめた。班に1台ずつ貸し出したiPadでCT画像をみられる。この期間中のiPadとアプリの使用頻度を調べた。iPadは約7割、OsiriX HDアプリは約6割の履修生が週数回以上使用していた。その他のアプリの使用頻度は低かった。

iPad頻度

iPadとiPadにインストールされているアプリの使用頻度。iPadとOsiriX HDは胸腹部期間中、そのほかは授業期間全体での頻度

 

CTと解剖学実習を組み合わせた授業について評価を調べた。CTへの慣れは昨年より向上したかもしれない(昨年の平均スコアは2.7)。CT課題をみてもそれはうかがえる。

CTとiPad

CTとiPadに関する評価

 

ITについて

解剖学の授業では、授業に関する情報をITサービスを使って履修生に提供している。

このうち、解剖予定表は約9割の履修生に週数回以上利用されていた。有用性の評価も極めて高かった。解剖学の授業予定は詳細・複雑で、中途の調整もあるので、モバイルでみられて随時更新できる方法をとっている。教員にとっても便利だ。

IT

解剖学の授業で提供したITサービスのアクセス頻度

 

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ITサービスの評価。各設問への同意の程度の平均

 

ブログ、PANDORA、成績のメール通知、Dropboxについても高評価を得た。解剖ちゃんについては評価が分かれた。解剖ちゃんの性格によるものかと思われる。

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解剖ちゃんへの評価の割合。5:同意できる、4:やや同意できる、3:どちらともいえない、2:やや同意できない、1:同意できない

 

解剖学での英語について

解剖学での英語の扱い、医学英語の授業と解剖学の授業との関連づけについて、おおむね高評価を得られた。

英語

医学英語の授業、解剖学の授業での英語への評価

 

解剖の授業で英語を学ぶべきかどうかについては、同意の度合いが下がる。解剖学自体の負担が大きいので、省けるものは省きたいとの意向もあると考えられる。

医学科の教員はおおむね医学英語の読み書きはできるので、いずれかの時点で医学英語を習得している。医師も会話の中に専門用語が英語で入ってくる(対応する訳語のないことも多いので)。医学英語を学び始めるのに解剖学は適当ではないだろうか。

Zuknowについて

2014年度は解剖英語の英単語帳をZuknow上で実装し、履修生に提供した。スマホで使えることと、発音を聞けることが利点との目論見だった。

履修生の1/3が週数回以上利用しており、それら利用者の評価は期待に沿った方向性を示した。英単語のリストは紙でも提供しており、どちらがよいかは評価が分かれるようだ。

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Zuknowの使用頻度と感想

 

教員について

解剖学を担当した教員にはいずれも高評価をいただいた。(グラフに示していない教員も同様)

教員

教員への評価。各評価項目のスコア(1〜5)の平均の積み上げグラフ

 

教科書について

教科書・参考書の使用率と評価を調べた。

ほぼ全員がグラント解剖学実習グレイ解剖学を使用していた。イラスト解剖学は3/4の履修生が使用した。これらいずれも高評価を得た。

アトラスではプロメテウス解剖学が約8割と最も多く使用され、ネッター解剖学アトラス解剖学カラーアトラスが約半数と続いた。いずれも高評価を得た。いずれかのアトラスを使用したのは約9割だった(data not shown)。

教科書

解剖学の教科書・参考書の使用率と評価

 

CTの教科書では画像解剖コンパクトナビの使用率が約半数だった。評価もよかった。

発生学の教科書では、ラーセン人体発生学の使用率が約15%だった。評価が芳しくないのは、詳しすぎるからと思われる。他の発生学の教科書は数名が使用したにとどまった。発生学については解剖学の授業の状況に見合う教科書がなく、選択に困る。

解剖学の授業全体について

解剖学の授業全体について調べた。

ニュースレターと宿題は、授業が始まってからの学習が円滑になるよう企画されている。宿題の評価が高かったのは意図通りだった。

今年の実習では下肢の一部に忙しかった日があり、日数も短かったとの意見があった。これが時間配分についての評価を下げたようだ。

授業

解剖学の授業への評価