症例問題から学ぶ生理学 原書4版

症例問題から学ぶ生理学 原書4版

症例問題から学ぶ生理学 原書4版

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症例問題を使って医学を学ぶ作戦は、優れている。

症例で取り上げられたものしか学べないので、系統的な学習に比べて穴が増える、というのは誤解だ。というより、症例問題の学び方を間違っている。

症例が提示されたら、まず考えられる病態を網羅的に調べる。胸が痛い、というだけでも、感染症、腫瘍、変性疾患、内分泌疾患、精神疾患と、系統的にスクリーニングする。そして、可能性を絞って鑑別診断に入る。そんなふうにすることで、学べる知識が拡がる。そして、こうすると印象的で、知識の定着がよい。こういう思考訓練をしておくと、臨床に行ってから役立つ。

症例をみて、解説と答えを先に読んでいると、誤解の通りに穴だらけだし、訓練にもならない。

本症は生理学の症例問題集。『コスタンゾ明解生理学』と同じ著者だ。一緒に使ったらよい。いやむしろ、症例の方を先に読んで、教科書の方を調べるのに使うというほうが早いかも知れない。

 

もくじ

 

心筋梗塞の症例をみてみよう。心筋梗塞の話しは、解剖学のテキスト、例えば『グレイ解剖学』にも載っている。解剖学の方では、冠動脈のこと、刺激伝導系の栄養動脈のこと、関連痛のことを学んだはず。生理学では、駆出力など定量的なはなしや、ホメオスタシスに関わる経路を学ぶことになる。

つまり、解剖学は学んだけど生理学はこれから、という状態でも半分くらいはわかるはず。そういうとっかかりを掴むと、学びが速くなると思う。

本書では、解答と解説をさきにみないように、レイアウトが工夫されている。問題が左ページで終わっている場合には、右ページにはあえて空白が入っている。ここで先に進まずガマンして、わからなかったら『コスタンゾ明解生理学』を読もう。空白ページはメモに使う。

 

症例提示

 

解答と解説