Gray’s Anatomy for Students, 4E

Gray's Anatomy for Students, 4e

Gray's Anatomy for Students, 4e

Drake PhD, Richard L., Vogl PhD, A. Wayne, Mitchell MB BS FRCS FRCR, Adam W. M.
11,869円(04/19 11:24時点)
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グレイ解剖学 原著第4版 電子書籍付(日本語・英語)

グレイ解剖学 原著第4版 電子書籍付(日本語・英語)

Richard L.Drake, A.Wayne Vogl, Adam W.M.Mitchell
13,200円(04/20 01:21時点)
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グレイ解剖学』の原著がこの春に改訂され第4版になった。日本語版も続いて改訂されるけれども、先に原著の内容を簡単にみていこう。

ペーパーバックにコート紙の表紙で、簡素な装丁。表紙に解剖図と医用画像とが対比されていて、本書で画像解剖学がフィーチャーされているのを物語っている。著者3人の内、ふたりは解剖学者、ひとりは医用画像の専門家だ。

シュリンクラップされていて立ち読みできない。シュリンクラップの理由は、従来同様デジタル版が冊子体に附属していて、それにアクセスするためのスクラッチコードがあるからだろう。

電子版は StudentConsult にある。StudentConsultInkling 上に設けられているが、コードを使うには StudentConsult のページから登録する必要がある。登録すれば、ブラウザの他、iPadやiPhoneの Inkling アプリ、Androidの Inkling アプリでよめるようになる。

シュリンクラップ

 

デジタル版附属

 

表紙の裏側の銀色の部分をスクラッチすると、デジタル版にアクセスするためのコードが現れる

第4版での主な変更は下の通り。

  • 増え続けるコンテンツに対処するために、臨床症例などの紙面にあった内容を電子版に移動。
  • 臨床関連の囲み記事とそれに使われる臨床画像の増強
  • 電子版の増強
    • 系統解剖学の章を追加
    • 神経解剖学の章を追加
    • 自己学習用のコンテンツの増強

冊子体のほうは大きさ、厚さとも第3版と大差ない。大きな美しい図を使ってゆったりとページレイアウトされているのも同様。全体の構成も同じだ。各章の扉には、電子版のコンテンツへの参照がある。

本文の英文は平易、簡潔で、よみやすい。医学英語になれるのにも勧められる。

大きな美しい図版とゆったりしたレイアウト

 

章の扉

第1章が解剖学の概説。電子版に系統解剖学が入ったので冊子体はごく簡単な内容だが、方向用語など要点は押さえられている。また医用画像の概説がある。

第1章にある、医用画像の概説

第2章以降が局所解剖学で、本書の根幹を成す。章の順番はおよそ解剖学実習の順番になっている。解剖学実習の予習に使えば、実習で学ぶべきことを見おとさないですむ。

各章とも概論「Conceptual overview」から始まり、局所解剖「Regional anatomy」、臨床症例「Clinical cases」と続く。詳しさが層状になっているので、Conceptual overviewまでをまず読み通す使い方もいいだろう。臨床症例は紙面上には各章とも2件ほどだが、電子版には10数件が掲載されている。

概論

 

局所解剖

 

臨床症例

本文中に増えたのが、臨床関連記事「In the clinic」だ。数が増えただけではなく、新しい医用画像や術中画像が豊富に使われている。

脊柱の癌とPET

 

網膜のOCT画像

 

術中画像と解剖図との対比

一部の画像には簡単な線画がついている。これを空で描けるように練習すると、自分自身の知識の整理から医師になってからの診察時の説明まで、いろいろと役立つはず。

線画

電子版にだけある神経解剖学の章は、冊子体の他の章と比べると、付け足りのような感がある。使われている図の多くは、エルゼビア社の他の書籍、たとえば『臨床神経解剖学』などから流用されているようだ。

神経解剖学