神経解剖学の教科書を検討する

COI開示このレビューの筆者およびその関係者は、ここで紹介された書籍の一部の訳者・監訳者としての対価を受けています。

神経解剖学の教科書を検討してみる。力点がどこにあるか見極めた方がよいようだ。

  • A地点からB地点に線維が投射して…という形態論
  • 神経生理学や神経科学のメカ論
  • ピュアなサイエンスを極めるか、臨床で実用になる話か
  • 授業でカバーできる薄さかどうか

図も重要。立体感を掴みやすいかどうかがポイント。

授業は担当してないので、成績につながるかどうかは関知しない。

臨床重視

筆者は神経内科医。症例を調べながら神経解剖学を学ぶ。臨床でも役立つし、読んで面白い。神経解剖学書のうち、Amazon.comで最もよく売れてる。ただし厚い。神経解剖学の授業で使うより、一定の期間を掛けて、自分で心掛けて勉強する目的に。レビュー

サイエンティフィックな子細はバッサリ削がれて、臨床で実用になるのに必要十分な内容。そこそこ薄い。レビュー

神経解剖学から神経科学へ

3Dな図がきれいで、立体感を掴みやすい。臨床からアカデミックな神経科学まで含むので、神経解剖学の授業内で読みこなすのは大変かも。レビュー

速習

神経科学全体をざっとみわたして、迷いをなくす

もとが講義ノートだっただけに、薄くて、短期間に学べる(かもしれない)分量。図が模式図でわかりやすいが、立体の理解は期待しかねる。M2PLUSに電子版がある

神経プロ用

ハードコアな解剖学・神経科学。レビュー

神経科学

広く浅く

文章が観念的・哲学的・形而上的で、極めて難解な部分がある。日本語版には日本語の電子書籍付き レビュー

読んで勉強する教科書というよりは、知りたいことを図で探すアトラス。断面の写真とCTやMRIが並んだ図、病変のCTやMRI、神経伝導のダイアグラムなど、図がたくさん。脳の白地図もすこしあって、コピーして独習に。

臨床

OSCEや臨床実習で要求されることを神経解剖学的、神経科学的に説明できるにはどのくらい勉強したらいいか、という目安に

精神科の疾患を理解する

今は昔

半世紀以上前のテキストだが、まだカタログに載っているのはなぜだろう。この時代は、ただひたすら線維の接続が記述されているただの形態学だった。おすすめしない。

更新履歴

  • 2020/12/2 2点追加、改定を反映
  • 2019/12/5 改定に伴うバナー更新
  • 2018/12/11 不具合のあったバナーを削除
  • 2017/11/28 改定を反映
  • 2014/8/12 最初の投稿

アイキャッチ画像の出典:Wikipedia