生化学の教科書は何が良いか

生理学の教科書は何が良いか」と同様に、生化学の教科書についてもAmazonで調査した。次がよいように思われた。

詳細なのを求めるなら、次がよいようだ。

手っ取り早く概観するなら、次が楽しめるだろう。

結果と考察

日本のAmazonでは教科書にレビューが少なかったので、売れ行きを主に評価し、レビューは米国のAmazonをより重視した。中身は読んでいないが、「なか見!検索」の機能を使えるときは確認した。

タイトル 米国Amazon 英国Amazon 日本Amazon
原題 和名 評価平均 評価数 ランキング 評価平均 評価数 ランキング 評価平均 評価数 ランキング
Lehninger Principles of Biochemistry レーニンジャーの新生化学〈上〉

4

56

5,678

4.8

9

122,467

4.5

6

195,338

レーニンジャーの新生化学〈下〉

0

189,702

Lippincott Illustrated Reviews: Biochemistry イラストレイテッド生化学 原書6版 (リッピンコットシリーズ)

4.4

30

14,386

5

3

40,483

0

89,417

Biochemistry, Seventd Edition ストライヤー生化学

4.1

85

35,302

4.6

23

26,802

4.8

4

117,575

Fundamentals of Biochemistry: Life at tde Molecular Level, 4td Edition ヴォート基礎生化学(第4版)

4.1

28

68,506

4.7

3

97,876

0

250,205

Harpers Illustrated Biochemistry 30td Edition イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書29版 (Lange Textbook シリーズ)

5

1

131,819

0

127,131

0

26,650

BRS Biochemistry, Molecular Biology, and Genetics

4.8

13

40,386

0

886,609

tde Manga Guide to Biochemistry マンガでわかる生化学

4.6

26

384,795

0

231,793

4

5

24,708

亀田講義ナマ中継 生化学

5

5

9,117

シンプル生化学

3.4

12

94,097

そもそも生化学のアイデンティティが曖昧だ。細胞生物学、分子生物学、生理学の教科書にも、生化学の要点は記載されている。生化学の教科書に何を求めるのか、まず目安をつけよう。

  • 生化学で世界を記述しようとしているか? 学ぶ動機になる。一方、暗記すれば済むタイプの授業なら大きなお世話かもしれない。
  • 包括的か? むずかしいレポートをこなすなら必要になる。
  • 要点をつかめるか? 一方、要点ばかりではストーリーが希薄になり、つかみどころがなくなることもある。

包括的な教科書。米国でよく売れていて、レポートの準備でとりわけ頼りにされているらしい。生化学による世界の見方を問うような話題が提示され、興味深く読めるようだ。米国では一般教養課程でもよく使われているらしい。そのような教科書には共通する特徴がある:正価が高額、レンタルがある、古書が多く流通している、米国では買えない安価な国際版が存在する(*)、公式ガイドブックが存在する。古書の状態に関するレビューが多くレビューの平均点を下げていることも共通。これがなければ本書の平均値はもっとよいはず。

*出版社によっては、国際版をAmazonに卸していないことがある

米国の試験対策シリーズからの一冊。MCATUSMLE STEP 1のある米国にはこの種のシリーズが多い。共通する特徴は、全編が箇条書きになっていること、試験範囲の要点がまとまっていること。本書は図表がわかりやすく豊富。最初の教科書として選択されることも多いらしい。米英でよく売れている。

ストライヤー博士はむずかしいことをわかりやすく魅力的に説明するのが上手だった。本書も米国の教養課程でよく使われているらしい。原著は第8版がでたばかりでデータがないので、第7版のデータで代用した。米英でよく売れていて、評価も高い。改訂してもページ数が増えていないのは教科書として良心的。

生化学のコアをカバーした教科書。生命全般の話題から話が始まり興味を引くようになっている。原著は写真や図が豊富で美しい。これも米国の教養課程でよく使われるようだ。

日本ではよく使われているが、米国ではあまり売れていないし、レビューも少ない。

米国の国試対策書で、3冊分の内容が1冊に。日本で授業に使うには意義少なそう。

マンガでわかる生化学』は日米で高評価だ。教科書には足らなくても、授業の目星にはなりそう。このシリーズはいずれも英訳され、海外でも販売されている。

よく売れている。予備校の教師による教科書で、たしかにわかりやすいらしい。メインの教科書として授業に堪えるかが選択のポイントか。

日本のAmazonでレビューが最も多い。包括的に要点をまとめたタイプの教科書。そこをよしとするレビューと、説明が稀薄になって理解しにくいとのレビューとがある。

米国の医学生の例

Rapid Review Biochemistry』を使った。『レーニンジャー』は学部生のときに使ったが、医学科では使わなかった。(米国では学部を卒業してから医学科を受験する)

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